INTERVIEW WITH KANA ITO

これは、インサイドセールスに携わる人たちの物語

ひとつのメール、ひとつの電話が、
誰かの意思決定を動かし、企業の未来を少しだけ変えていく。

本シリーズでは、最前線で働く人たちの声を通して、
この仕事のリアルと、その内側にある想いを届けます。

今回登場するのは、インサイドセールス歴2年、
見込み顧客のリスト作成を担当している伊藤華那さん。
いつも向上心と謙虚さをもって
前向きに仕事に取り組むためのヒントをたくさん教えてくれました。

04 PROFILE

インサイドセールス歴2年

伊藤 華那

新卒でZenken株式会社へ入社。営業部で顧客への提案を経験した後、インサイドセールス部門へ。リスト作成を得意とし、個人とチーム両面で成果を上げる存在として活躍中。休日は海や山でリフレッシュ。

“分業”で見つけた、自分の強み

スキルもない、自分の得意も苦手もいまいちわからない。そんな思いを抱えながら、就職活動に取り組んでいたという学生時代の伊藤さん。ただ一つだけ、「とにかく仕事ができるようになりたい」「成長し続けたい」という思いだけは、はっきりしていた。
企業を調べるなかで出会ったのが、Zenken株式会社の“なんでもできる。なんにでもなれる。”というコピー。若手にも挑戦が任され、思ったことをズバッと伝えてくれる上司がいる。選考を通してそんな社風に触れ、「ここなら成長できる」と確信し、入社を決めた。

入社後の配属先は営業部。当時は、新規営業先のアプローチリストの作成、アポ取り、ヒアリングから提案まで、すべて自分自身で行う必要があった。「営業職の全体の流れを経験できたのは貴重な体験でしたけど、全部を器用にこなせるタイプじゃないので、結構いっぱいいっぱいでしたね(笑)」

入社3年目の年、会社の体制変更があり、営業部門の仕事は分業化され、現在所属するインサイドセールス部門が新設された。役割分担が明確になり、伊藤さんはリスト作成を担当することになった。「担当領域が絞られたことで、より自分の得意な部分を活かせるようになった感覚がありました。数字や分析に強いという自分の強みに気づけて、専門性を磨いていく面白さを感じることができています」。

研究職

伊藤さんが担当しているのは、自社が扱う商材にマッチしそうな企業を見つけ、アプローチすべき企業のリストをつくること。狙いどころを見極め、“どこに"、"誰に"、”どうアプローチするか”、など細かく仮説を立て、アポ取りの担当者へ情報を渡す、いわば司令塔のようなポジションだ。「インサイドセールスは、実際にやってみると研究職に近いなと思います。実際に仮説がバシッとあたって、アポや受注に繋がった時は本当に嬉しいです」。

一方で、トレンドの移り変わりが早く、手法や仮説がすぐに通用しなくなる葛藤もあるという。「営業手法にも流行があるので、うまくいっているときにこそ、先のことを考えて、新しい方法にも挑戦しておいたほうがいいんですよね。あと、色々な人から情報収集したほうがいいです」。メンバーとの情報共有もかかさない。「アポ取りのメンバーも、マニアックすぎるくらい、細かい言葉のニュアンスを変えて相手の反応を検証していたりするんです」。伊藤さんはミーティングのときに気をつけていることがあるという。「伝えるべきことはきちんと伝えたほうがいいと思っています。もちろん相手の気持ちや置かれている状況にも配慮しますが、経験上、本音で話し合ったほうが、それを乗り越えたときに仲も深まるし、スムーズに仕事も回るんです」。

運と確率

営業の仕事は、“断られる”ことがもはや当たり前だという伊藤さん。アポ率が5%だとすれば、100件連絡しても95件は断られる計算になる。日々“NO”を突きつけられることへのストレスには、どのように対応しているのか尋ねてみた。「最初は、つらく感じることもありました。ただ、数字の意味をきちんと理解することが大切だと思います。たくさんの“NO”も、確率の問題かと腹落ちしてから、気にならなくなりました。それよりも、大切なのは1件でも多く貴重な出会いを作れるかだと思います。つまり5件のチャンスの方にフォーカスするようになったんです。そうすることで、楽しく仕事に取り組めるようになりました」。

また、先輩に教えてもらった“営業は、運と確率だよ”という言葉も、心に強く残っているそう。「確率は、自分の努力であげられる。でも、運は自分にはコントロールしきれない。だから、100%以上のパワーで頑張って、それでもダメだったら運が悪かったと割り切って次へ進むようにする。ちょっと冷たく聞こえるかもしれないんですけど、この仕事は、数字のゲームだと思って、どう攻略しようかって俯瞰して考えるようにしてますね。あとは、サウナでストレス発散!(笑)オフィスから歩いて30分くらいのところに行きつけのお店があります。退勤後に運動がてら歩いて行って、サウナや岩盤浴で汗を流して。気持ちも身体も、スッキリ整ってから帰宅してますね」。

“頼ること”が、チームを動かす

もともとは、自分で抱え込みがちだったという伊藤さん。他の人に業務をお願いしようとしても、“本当にお願いしていいのかな”、“もうちょっと整えてから業務をお願いしたほうがいいか”とためらってしまい、気づけば自分がパンクしている──そんなことも少なくなかった。「経験を積んで、仕事を捌けるようになっても、その分仕事の量が増えたり、挑戦する機会もたくさん増えてきて。とにかく、時間が足りなくて終わらない、という状況に直面したんです。上司に相談したら、『もう全部自分でやろうとしない。とにかく、どんどん、どんどん、仲間に任せなさい』って背中を押してもらったんです」。

実際に頼ってみると、期待以上の成果で返ってきたり、思いがけないところまでフォローしてくれたりと、いい意味で裏切られることも多かった。“頼るって、想像以上にいいな”と、受け入れられるようになっていった。また、頼ることが相手のためになる、という新たな気付きもあった。「私の仕事をお願いする場合、相手にとっては初めての業務になることも多いんです。そうすると、新しいことを経験してもらうことで、その人が成長するきっかけにもなる。そういう経験を積み重ねた今は、“一緒に成長する”感覚で、自然に仕事を任せられるようになりました」。

フリーランスマインドを持ち続けたい

伊藤さんが仕事で意識しているのは、“フリーランスマインド”を持ち続けること。「上司に“仕事があるのは当たり前じゃない。会社員でも、仕事をもらえていることに感謝する姿勢が大事”と教わって、その考え方にとても共感しました」。以来、またお願いしたいと思ってもらえるよう、相手の期待を超える仕事を意識。状況を先読みして早めに動いたり、プラスアルファの提案を添えたりと、自分なりの工夫を欠かさないようになった。

「前よりもっと大きな仕事や、チャレンジングなことを任せたいと思ってもらえる人でありたい」。

そう語る伊藤さんのモチベーションの源には、仲間への感謝とリスペクトがある。「インサイドセールス部門には、ちゃんと“ありがとう”を伝える文化があると思うんです。自分のことを見てくれている人がいる、頑張りを言葉にしてくれる。それがすごく励みになります」。

一人ひとりが前向きに挑戦し、支え合いながら成長していく。そんなチームを、リードできるように頑張りたいと笑顔で語ってくれた。

頑張り屋さんの伊藤さんの“癒やしアイテム”

キウイバードのぬいぐるみ

海と山、自然が大好きな伊藤さん。学生時代に留学したニュージーランドで出会った“国鳥キウイ”のぬいぐるみは、今もそばに置いている大切な相棒。手に取ると、現地の豊かな自然が思い出され、心が癒やされるそう。忙しい日々のなかで、自分らしさを取り戻すきっかけをくれる、大事な存在。

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