商品やサービスを購入・導入した顧客が、期待する成果を得られるように継続的に支援していく取り組みを指します。SaaSやサブスクリプション型ビジネスの拡大とともに注目されるようになり、「売って終わり」ではなく、契約後の継続利用やアップセル・クロスセルを実現する役割を担います。インサイドセールスとはフェーズが異なりますが、どちらも顧客との長期的な関係構築を重視するという点では共通しています。解約率(チャーンレート)の低下やLTV(顧客生涯価値)の最大化に貢献するため、営業・マーケティング部門と連携しながら活動することが求められます。
見込み顧客の獲得から最終的な契約・購買に至るまでの一連の営業プロセスを「漏斗(ファネル)」の形で表現したものです。上部はリードが多く、段階を経るごとに数が減っていき、最終的に顧客となるのはごく一部という構造です。ファネルの各段階には「認知」「興味」「比較・検討」「意思決定」などがあり、マーケティングやインサイドセールスの施策は、それぞれの段階に最適化される必要があります。セールスファネルを明確に定義・運用することで、現状のボトルネックを把握し、どこに注力すべきかが見える化され、受注率の改善や営業プロセスの効率化につながります。
営業活動における「商談の見込み案件一覧」を示す概念で、リードの獲得から成約までの各フェーズを可視化し、案件ごとの進捗状況や金額を管理します。インサイドセールスでは、リードがMQL→SQL→商談へと進むプロセス全体を見渡すことで、営業の効率化や戦略的なリソース配分が可能になります。たとえば、「アポイントは多いが商談につながらない」「商談はあるが受注に結びつかない」といった課題を明確にし、フェーズごとの改善策を講じることで、組織全体の売上予測の精度も高まります。SFAツールと連携して活用されることが一般的です。
自社の商品やサービスに興味・関心を示した見込み顧客のことを指します。Webサイトからの資料請求、展示会での名刺交換、セミナー参加など、何らかのアクションを起点に情報を得た相手を「リード」として認識し、その後の営業活動やマーケティング施策につなげていきます。BtoB領域では、取得したリードの情報をもとに属性や行動履歴を分析し、育成(ナーチャリング)や絞り込み(スコアリング)を行いながら、商談に発展させるのが一般的です。インサイドセールスでは、この「リードの質と数」が活動の成果に直結する非常に重要な概念となります。
獲得した見込み顧客(リード)に対して「どれだけ商談や購買に近いか」を数値化・可視化する手法です。Webサイトの訪問回数、特定ページの閲覧、フォーム入力回数、業種や役職などの属性データに基づいてスコアを設定し、点数の高いリードから優先的に営業アプローチを行うことで、商談化率を向上させることが可能になります。特にリードが多く集まる企業では、すべてのリードに同じ対応をすることが非効率なため、スコアリングによって有望なリードを抽出することが非常に重要です。マーケティングオートメーション(MA)ツールと連携して活用されるケースが多く、インサイドセールスの戦略立案や活動設計に欠かせない施策のひとつです。
BDR(ビジネス・デベロップメント・リプレゼンタティブ)は、アウトバウンド型の営業開拓を専門とするインサイドセールス職です。まだ接点のない企業や潜在ニーズを持つ顧客に対して、電話やメールなどを通じて積極的にアプローチし、課題喚起や情報提供を行いながら、商談のきっかけをつくります。SDRが「反応のあったリード」に対応するのに対し、BDRは「企業リストなどからのターゲット開拓」が中心で、特に中長期的な顧客育成や新規市場開拓を重視する組織で導入されています。BtoB営業においてリード獲得の起点を担う重要なポジションです。
MA(マーケティングオートメーション)とは、見込み顧客の情報管理やメール配信、スコアリング、ナーチャリング(育成)などのマーケティング業務を自動化・効率化するツールや仕組みを指します。インサイドセールスと連携することで、MQLの創出や優先順位の可視化がスムーズに行えるようになり、営業活動の精度が飛躍的に向上します。たとえば、Webサイトの行動履歴をもとにスコアが一定以上になったリードにだけ、SDRが架電するなどの活用方法があります。主なツールにはSalesforce Pardot、Marketo、HubSpotなどがあり、BtoB企業を中心に導入が進んでいます。
MQL(マーケティング・クオリファイド・リード)は、マーケティング活動によって獲得したリードの中でも、特に購買意欲が高いと判断され、営業に引き渡す準備が整った状態の見込み顧客を指します。例えば、ホワイトペーパーの複数回ダウンロードや特定ページの閲覧履歴など、行動データや属性情報に基づき、一定の条件を満たしたリードがMQLと認定されます。MQLを明確に定義することで、営業部門との連携がスムーズになり、無駄なアプローチを減らして商談化率を高めることが可能になります。インサイドセールスにとって、効率的なパイプライン構築の起点となる概念です。
SDR(セールス・デベロップメント・リプレゼンタティブ)とは、インサイドセールスにおける職種のひとつで、主にインバウンドで獲得した見込み顧客(リード)に対して初期対応を行い、商談機会の創出を担います。具体的には、資料請求やセミナー参加などをきっかけに接点を持った顧客に電話やメールでアプローチし、課題やニーズをヒアリングしながら、有望なリードを選別して営業担当(フィールドセールスなど)に引き継ぎます。SDRは、営業活動の分業体制において効率的な商談創出を支える重要な役割を果たします。
SQL(セールス・クオリファイド・リード)は、営業部門がアプローチするに値する確度の高い見込み顧客のことを指します。通常は、MQLとしてマーケティング部門から引き渡されたリードに対し、インサイドセールスがヒアリングを行い、BANT条件(予算・決裁権・ニーズ・導入時期)などを確認したうえで、商談化の可能性が高いと判断された段階がSQLです。SQLは、実際の営業活動やクロージングへとつながる重要なフェーズであり、ここでの質の高さが受注率や営業の生産性に大きく影響します。MQLとの違いや評価基準を明確に定義することで、営業とマーケの連携を最適化することができます。